この度「すくすくアニコム」が、「どうぶつ相談室」としてリニューアルいたしました。
【第15回】アレルギーってなに?
アレルギーってなに?
【ワンちゃんのアレルギー】
ワンちゃんにもヒトと同じようにアレルギーがあります。ワンちゃんの体に異物(アレルゲン:アレルギーの原因物質)が入ったり触れたりした時、通常は免疫機能が働き、異物を排除してくれますが、その免疫機能が過剰に働いてしまうことにより、炎症などの余分な症状が引き起こされてしまうことがあります。この病的な過敏反応をアレルギーといいます。
なぜアレルギー反応がおこるのか、遺伝や空気汚染、食品添加物の摂取などいろいろな説がありますが、まだはっきりとした原因は解明されていません。アレルギーの症状はひとつの原因で起こるものではなく、ストレスや健康状態などいろいろな要素が複合的に絡まって起こるものだといわれています。
【アレルギーの原因物質(アレルゲン)とは?】
タンパク質が主なアレルゲンとなりますが、その他にも種々の食べ物や薬品、環境中の花粉、カビ、ハウスダスト、ノミなど、口にするものや吸い込むもの、接触するものなど数多くの物質がアレルゲンとなります。
【症状】
ヒトの花粉症のように鼻炎などの呼吸器の症状を起こす場合もありますが、ワンちゃんの症状としてはかゆみを伴う皮膚症状(アレルギー性皮膚炎)が一般的です。痒みが出やすい体の部分は目や口の周囲、肢端(四肢の先、指の間あたり)の下、内股などが一般的です。
また、皮膚症状のほかに、食餌により下痢や嘔吐などの消化器症状を起こす場合や、ワクチン接種後に早急なアレルギー反応として顔が腫れるような症状(ムーンフェイス)や循環器症状などがみられる場合もあります。
【アレルギーの治療法】
下記のような、色々な治療法があります。
・食事療法(アレルゲンを含まない食事を与える)
・内用薬や外用薬等(ステロイドや抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、漢方薬等)
・インターフェロン注射
・減感作療法※(アレルゲンを注射して体質を改善する治療方法)
・その他、補助療法としてホメオパシーやアロマテラピー、ハーブ療法など
【※ 減感作療法とは?】
ワンちゃんで多い病気『アレルギー性皮膚炎』の治療法の一つで、薬で症状を抑える治療法(対処療法)と違って、アレルギーが根治する場合がある治療法です。
減感作療法はまず、アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)を検査で特定し、そのエキスを注射することによって免疫反応を鈍くさせるという療法です。
多くの場合、下記のようにアレルギーの一般的な治療で症状の改善が難しい場合に行います。
・アレルゲンが判明していて、アレルゲンを回避や除去しても症状の改善がない場合
・症状が重く、治療が長期に渡っている場合
・対処療法を行っても十分な効果が得られない場合
○減感作療法は実際、どのように行うの?
まず、アレルギーの原因物質であるアレルゲンを特定するためにアレルギー検査を行います。
・血液抗体検査(血液をとって抗体価を調べる検査)
・皮内反応試験(可能性の高いアレルゲンを皮膚に摂取して皮膚の様子を調べる検査)
アレルギー検査には上記の方法があり片方または両方の検査を行い、アレルゲンの確定を行います。
医師の決定したプロトコール(接種する計画)で、アレルギー検査によって判明したアレルゲンの抽出液(アレルゲンワクチン)を注射します。
プロトコールはまだ世界で標準化されていませんが、数ヶ月?約1年など長期間にわたるために、治療にあたっての飼い主の理解と根気も必要になります。年齢や症状の重症度によっても異なりますが、効果は50%?80%ともいわれています。
しかしながら、効果が得られないこともあり、効果がでるまでの期間が1年かかる場合もあります。
