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肝炎
肝炎
肝臓は体の中でさまざまな働きを担っている重要な臓器です。主な働きとしては、血液凝固(出血を止める)因子の造成や有害物質の解毒、造血、胆汁の生成、糖・たんぱく質・脂質・ホルモンの代謝、ビタミンの合成・貯蔵などがあります。肝臓は『沈黙の臓器』といわれ、障害がなかなか症状に出にくく、肝炎の症状は、肝臓がかなりの障害を受けてからでなければ、現われてきません。肝炎は、肝細胞がさまざまな原因で炎症を起こし、症状を引き起こす病気で、急性肝炎と慢性肝炎にわけられます。
【原因】
犬のアデノウイルスI型などのウィルスの感染やレプトスピラなどの細菌、その他に寄生虫、真菌などの感染、麻酔薬などの薬物や肝臓に毒性のある物質による中毒、腹部損傷などが原因となります。急性肝炎が進行し、慢性肝炎に移行していく場合もあります。
【症状】
病変の程度により症状は異なりますが、急性肝炎では、食欲不振や嘔吐、下痢、元気消失、腹部を押すと嫌がる、メレナ(黒色便)、黄疸などの症状が多く見られます。また、重症になると肝性脳症(肝臓の機能低下により、ヨダレやふらつき、元気消失、徘徊行動、旋回行動、痙攣発作、昏睡などの神経症状を起こすこと)などが見られ、死に至る場合もあります。慢性肝炎には、特徴的な症状はありませんが、慢性的に食欲不振、削痩、元気消失などの諸症状が現れ、肝炎が進行すると黄疸や腹水、血液凝固異常、肝性脳症などを起こし、死に至る場合もあります。
【治療】
肝炎を起こしている原因によって治療は異なりますが、一般的には強肝剤の投与や不足しやすいビタミンの補給、下痢をしている場合は下痢止めの投与、黄疸を起こしている場合は利胆薬の投与、脱水時には点滴による輸液などを行います。その他、さまざまな症状に応じて抗生物質の投与や飼育管理を良好にし、食事療法を行います。
【予防】
早期発見、早期治療が大切です。定期的に血液検査などを含めた検診を行いましょう。ご自宅では、ワンちゃん、ネコちゃんの食欲、嘔吐などのチェックを行ない、上述の症状が見られる場合は、早めに動物病院にご通院ください。また、毒物や薬物の誤食にも、日頃から注意が必要です。
また、犬のアデノウイルスI型による「犬伝染性肝炎」はワクチン接種で防げる病気です。ワクチン接種を受ける際には、接種時期や種類について、かかりつけの動物病院にご相談ください。
