この度「すくすくアニコム」が、「どうぶつ相談室」としてリニューアルいたしました。
【第9回】ネコちゃんの混合ワクチンについて
【ワクチンって何?】
ワクチンとは感染症を予防するために、病原体を無毒化または弱毒化したものを体に接種して、感染症に対する免疫力をつけるものです。
日本では、3-7種(猫白血病ワクチン1種のみもあります。)の感染症を予防できるネコちゃんの混合ワクチンが市販されています。大切なネコちゃんを感染症から守るため、ワクチン接種はとても重要です。
【混合ワクチンの接種時期について】
生まれたばかりの子猫ちゃんは、生後まもなく飲む母乳(初乳)中に含まれる母猫からの免疫(移行抗体)により、様々な病気から守られています。しかし、この移行抗体は生後数ヶ月で消失してしまうといわれています(消失時期には個体差があります)。

したがって、子猫ちゃんにワクチン接種を行い、子猫ちゃん自身に新しい免疫力をつけなくてはなりません。ワクチン接種を行ったときに、移行抗体が子猫ちゃんの体に残っている場合には、ワクチンの効果が不十分となってしまうために、初年度のワクチン接種は2-3回の追加接種を行います。次年度以降についても追加のワクチン接種を行うことで、免疫を維持できることが知られています。
ワクチン接種の適切な時期の判断については、ネコちゃんの健康状態や体質などが大きく関係するため、かかりつけの動物病院によくご相談の上、接種されることをお勧め致します。
【ワクチン接種時の注意点】
・ネコちゃんの健康状態が良好なときに接種を受けましょう。
・お病気や服用中の薬などがある場合は、ワクチン接種についてかかりつけの先生によく相談をしましょう。
・接種後、副反応※がでる場合があります。ワクチンを接種した日はネコちゃんの様子をよく見てあげられるよう、飼い主の時間的余裕がある日に接種を行う必要があります。副反応は接種後、24時間以内に症状が現れることが多いので、特にこの期間は注意深くネコちゃんの様子をみてあげましょう。
・接種後、ネコちゃんに異常を発見した場合は早急に動物病院に相談をしましょう。
・接種後、1週間程度はネコちゃんを安静にしてストレスを避け、様子を注意深くみてあげましょう。
・接種後、ネコちゃんに免疫がつくられるまでには2-3週間かかる場合があります。お散歩などの時期についてはかかりつけの動物病院によくご相談してください。
※ワクチン副反応・・・症状として次のような症状があります。
顔面の腫脹
皮膚の痒み、蕁麻疹
嘔吐、下痢
発熱、元気消失
呼吸困難、虚脱
注射部位に肉腫の発生(発生率は0.001-0.0001%程度と推測されています)
【猫の混合ワクチンで予防できる感染症】
■猫伝染性鼻気管炎(FVR)
猫伝染性鼻気管炎は、猫ヘルペスウイルスにより発症する病気で、ネコちゃんの「かぜ」ともいわれています。症状としては発熱、鼻水、くしゃみ、目ヤニ、食欲不振などがみられ、症状が慢性化する場合もあります。
■猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)
猫汎白血球減少症は、猫パルボウイルスにより発症する病気で、感染力が強く、子猫ちゃんが感染し発症した場合に重篤となることが多い病気です。症状としては白血球の減少、食欲不振、発熱、激しい嘔吐、下痢などがみられ、重篤になると死に至る場合もあります。(詳細については、『アニコム医学事典「猫汎白血減少症(猫伝染性腸炎)」』をご参照ください)。
■猫カリシウイルス感染症(FCV)
猫カリシウイルス感染症は、くしゃみ、鼻水、咳、発熱といった猫伝染性鼻気管炎とよく似た症状がみられます。さらに症状が進むと、舌や口の周辺に潰瘍ができます。
■猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
猫白血病ウイルス感染症は、白血病やリンパ腫など血液系の腫瘍を発生させることで知られています。また、感染したネコちゃんの免疫力を低下させるため、貧血や腎炎、口内炎などさまざまな症状を引き起こし、重篤となることが多い病気です。 (詳細については、『アニコム医学事典「猫白血病ウイルス(FelV)感染症」』をご参照ください)。
■クラミジア感染症
クラミジア感染症は、クラミジア菌の感染により発症する病気で、主な症状は持続性の結膜炎です。その他の症状として、くしゃみ、鼻水、咳などの症状がみられることもあります。
